米田昭正社長は静かに語った。「当社の設立以来、最大の赤字でございます」――。
旅行会社大手で近畿日本ツーリストを擁するKNT-CTホールディングスが正念場を迎えている。同社は2月9日に発表した2020年4~12月期決算において、旅行事業の苦戦や減損損失の計上から、34億円の債務超過に転落した。
売上高は前年同期比81%減の612億円、営業利益は261億円の赤字(前年同期は41億円の黒字)、当期純利益は216億円の赤字(同25億円の黒字)だった。すでに希望退職や事業構造改革を公表し、手を打ってきたが、国内旅行の回復ペースは鈍く、一段と厳しい状況に追い込まれている。
海外旅行が「ほぼゼロ」の衝撃度
大幅赤字の要因は、コロナによる需要減と固定費負担の重さに尽きる。
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