ライバル会社の社員が、驚きと疑問の入り交じった声でつぶやいた。「ABホテルさんの客室稼働率はすごいですね。なんでこんな高いのでしょう……」。
ABホテルとは、東海エリアを中心に全国31店舗(2021年2月時点)を展開するビジネスホテルチェーン。1999年にスポーツクラブ「ホリデイスポーツクラブ」などを運営する東祥のホテル事業部門として始まった(東祥は現在も親会社)。
2014年から愛知県外への出店をスタート。コロナ以前、2020年3月期の営業利益率は21%強と、業界の隠れた高収益企業だ。
今期、既存店の客室稼働率は2020年4~12月の累計で68.6%だった。前年同期比では18.5ポイント減と落ち込んでいるものの、競合他社と比較するとかなり高い。
観光庁の調査によれば、ビジネスホテル全店の稼働率は、最も回復が進んだ2020年11月でも55%止まりなのだ。
2020年4~12月期決算は営業利益7700万円(前年同期比93.8%減)と辛くも黒字を確保。ホテル業界各社が赤字に陥る中、ABホテルはなぜ稼働率を保ち、赤字を回避することができているのか。
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