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上場5年で株価半減「国有民営」の中途半端な経営 3章|描けぬ成長戦略

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低迷を続ける株価。成長戦略が不可欠だが実現は容易ではない。

2007年10月の日本郵政グループの発足式。左端・菅義偉首相は前総務相として出席、後任の総務相として出席したのは右端の増田寛也現日本郵政社長(時事)

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華々しく上場を迎えたときがピークだった。

2015年11月4日、郵政グループ3社は東証1部に上場した。初値は日本郵政1631円、傘下のゆうちょ銀行1680円、かんぽ生命保険2929円。3社とも売り出し価格を上回った。時価総額は計17兆円。それでも簿価に比べると割安(日本郵政の上場時PBR〈株価純資産倍率〉は0.5倍)で、株式市場はこれからへの期待を膨らませた。

しかし、株価はそこからずるずる下がっていった。現在の株価は日本郵政で800円台、ゆうちょ銀行で900円台、かんぽ生命で2000円台に落ち込む。初値より3〜5割低い水準だ。

低迷の背景には、1つの逆風と、2つの失策があった。

逆風とは、上場3カ月後に始まった日本銀行によるマイナス金利政策だ。ゆうちょ銀行の運用は国債が主体で、利息収入を直撃した。

失策とは、高値づかみといわれた豪トールホールディングスの6200億円での買収である。買収から2年後の17年に4003億円の減損を計上し、20年度にはトールの一部事業切り離しを決めた。

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