資産性重視の潮流が加速。実需と投資の線引きが薄れつつある。
縮小を続ける経済活動を尻目に、活発に取引されているのが中古マンションだ。巣ごもりが続いたため仕様の優れた住戸を望む世帯が増えたことや、新築と比較した価格の割安感が購入を後押しした。東日本不動産流通機構によれば、2020年11月の首都圏の成約件数は前年同月比で14%も増加している。
では、コロナ禍にあってとくに活発に取引された駅はどこなのか。不動産プラットフォームを提供するマーキュリーの協力を得て、首都圏の駅ごとの中古マンション取引戸数を集計した。
コロナ禍が深刻化した20年4月〜11月末と前年同期を比較し、取引戸数の増減をランキングしたのが下表だ。同一駅に複数の路線が乗り入れているケースについては、各マンションの広告やパンフレットの物件概要部分に掲載された最寄り駅のうち、最初に記載されている駅を抽出した。
取引戸数増加の裏側
コロナ禍において取引戸数が突出して増えた駅は、みなとみらい線「馬車道」だ。周辺には小ぶりなマンションが立ち並び、これまでの住宅市場における存在感は高くなかった。突然の活況の謎を解くカギは、三井不動産レジデンシャルと丸紅が開発したタワーマンション「ザ・タワー横浜北仲」にある。
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