改革の推進には政治生命を懸ける覚悟と執着心が必要。それを菅氏は持っている。
9月16日に菅義偉内閣が誕生して2週間余が経つ。報道各社による世論調査の内閣支持率は、朝日新聞65%、毎日新聞64%、読売新聞74%、日本経済新聞74%、共同通信社66.4%であり、極めて高い。自民党支持率も各社軒並み50%超に達した。
この世論調査が示す意味は、7年8カ月に及んだ安倍晋三前首相個人には飽きがきたが、安倍政権の経済・外交政策は基本的に評価しているということである。と同時に、後継首相である菅氏の「苦労人」「たたき上げ」というイメージが、3代にわたる政治家一族の安倍氏のそれとの対比で好感されたのである。もちろん、「貧しいイチゴ農家生まれ」「高校卒業後、集団就職」「法政大学夜間部」などは誇張されたサクセスストーリーだ。
菅氏は安倍政策の継承を前面に押し立てて自民党総裁選挙を戦い、勝利して首相の座を射止めた。とはいえ、菅氏が安倍氏の下で内閣官房長官在任中に規制緩和、業界再編、生産性向上など構造改革推進の必要を自覚し、いつの日か自らの手で実現したいという熱い思いを秘めていたのは事実である。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら