かつての寵児も今は権力に。独占による弊害が政治課題になっている。
公平な競争を阻害する独占企業は解体されるべきだ──。米民主党指名の大統領候補として一時は有力視されていたエリザベス・ウォーレン上院議員が掲げた政策案は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる巨大IT企業を震撼させるものだった。
主張の骨格はこうだ。1990年代にマイクロソフトが圧倒的シェアを握るOS(基本ソフト)とウェブブラウザーの抱き合わせ販売を行った際、米司法省などが反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで同社を提訴し、和解に至った。それがきっかけでグーグルなどが育ったが、今度はかつての新勢力が健全な市場競争を阻んでいる。だから、彼らを規制しなければならない、というものだ。
ウォーレン氏は今年3月に指名争いから撤退したものの、巨大IT企業に対する政治家たちの不満は根強くくすぶっている。
7月29日に行われた独禁法違反の疑惑をめぐる議会下院公聴会でも、「解体論」は取り沙汰された。ビデオ会議の画面を通じてGAFA4社のCEOが居並ぶのを前に、反トラスト小委員会のデービッド・シシリーニ委員長(民主党、ロードアイランド州選出)は「支配力を持つものは正しく規制され説明責任を負うべきであり、一部は解体される必要がある」と発言。そのうえで「(米国の石油王)ロックフェラーや(同鉄鋼王)カーネギーの時代に書かれた100年以上前の独禁法を、デジタル時代に合わせて修正する必要がある」と述べている。
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