有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #アメリカの新常識

基軸通貨ドルの地位は安泰か まだ譲らないが長期低落傾向

3分で読める 有料会員限定
(Kasmasov/PIXTA)

コロナ禍で基軸通貨ドルの地位が話題になった。大きな経済ショックが起きると必ずささやかれる怪談のようなところもある。

背景は米国の長期金利が低下し、インフレ率も加味すると実質金利がマイナスに転落したことだ。低成長、低インフレ、低金利の日本化リスクも高まった。一方で、年初から金の価格が上昇トレンドに入った。「究極の安全資産」であるが、金利がつかないという金の弱点が比較のうえで弱点でなくなったためだ。ただ8月第1週で天井を打って、その後は調整に入ったようだ。

コロナショックで動意

ドル、円、ユーロの先進国通貨は2017年ごろからあまり動かない状態が続いていた。19年のドル円のレンジは1ドル=104~112円台、ユーロドルのレンジは1ユーロ=1.08~1.15ドル台とそれぞれ1割も動いていない。ところが、今年に入って新型コロナウイルスの流行というショックが起きると、さすがに大幅に動き出した。

2月下旬から株価が急落し米国長期金利が下落(債券価格は上昇)する中、レパトリエーション(資金の自国回帰)の動きからドル安傾向に。3月7~10日にかけてサウジアラビアの原油価格値下げと増産計画が出て原油価格が急落すると、株式市場ではサーキットブレーカーが発動されるパニック的な事態となった。ドル円は1ドル=101円をつけた。ユーロドルも1ユーロ=1.14ドルまで上昇した。

ところが3月下旬にイタリアで新型コロナの死者数が急増すると、基軸通貨ドルを確保しておこうという「有事のドル買い」が急増。勢いは止まらず、ドルの名目実効為替レート(複数通貨間での相対的な実力を見たもの)は歴史的な高水準になり、新興国通貨は軒並み暴落。1ユーロは1.07ドルを割り込み、対円では1ドル=111円台までドルが上昇した。ジェットコースターのような展開だ。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数