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「日米同盟のあり方を見直す重要な機会に」 インタビュー/日本総合研究所会長 寺島実郎

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てらしま・じつろう 1947年生まれ。71年早稲田大学政治経済学部卒業。73年同大学院修了、政治学修士。三井物産入社。米国三井物産ワシントン事務所長、三井物産常務執行役員などを経て2016年6月から現職。(撮影:吉濱篤志)

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今年の米大統領選挙はいかなる意味を持つのか。日本人はどのような視点で選挙を見つめるべきか。寺島実郎・日本総合研究所会長に聞いた。

大統領選を語る前にまず「トランプとは何者だったのか」を考えてみると、彼は私と同じ「団塊の世代」、米国でいうベビーブーマーだ。私は米東海岸に勤務していた1980年代末から90年代にかけ、少なくとも3度、彼に会ったことがある。当時、彼は青年不動産投資家としてプラザホテルの買収など派手にビジネスを行っていたが、「米国を買い占める日本」を苦々しく思っていた。戦勝国の米国の企業がなぜ、敗戦国である日本の銀行に金を借りなくてはならないのか。彼はその状況に納得がいかず、「ジャップ」への嫌悪感も隠さなかった。米国の現状に対する彼のいら立ちの原点はそのあたりから始まる。

大統領になってもそれは変わっていない。東西冷戦の勝利者でもある米国は、世界のリーダーとして偉大な役割を果たしてきた。それなのにどうして思いどおりにならないのか。世界を支える側がいつも割を食って我慢している。こうなったらディールで損を取り返すしかない。そう言う彼は、米国人の本音を率直に代弁しているにすぎない。トランプ的考えに共鳴する米国人はいくらでもいるのだ。

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