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半導体の収益が改善せず、東芝「車谷改革」の憂鬱 厳しい局面が続く

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東証1部復帰を目前に控え、デバイス部門の切り離しが焦点に。

車谷改革の効果が出てきた東芝だが、厳しい局面はまだ続きそうだ(撮影:尾形文繁)

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経営再建中の東芝が業績を急改善させた。6月5日に発表した2020年3月期連結決算は、米国のLNG(液化天然ガス)事業の売却損などで1146億円の最終赤字だったが、本業の儲けを示す営業利益は前期比3.7倍の1305億円を達成。インフラ系が堅調だったほか、パソコンなど不採算案件の売却やリストラ効果で大幅増益となった。

車谷暢昭社長兼CEOは「新型コロナの影響は限定的だった」と総括。ポートフォリオをインフラ中心に再構築したことで、景気がダウントレンドになっても落ち込みを小さくできているという。

もっとも営業利益率はわずか3.8%とまだ低い。不正決算や米国の原発子会社の巨額損失で上場廃止の瀬戸際に追い込まれてから3年。ようやく再出発のスタート地点に立ったにすぎない。

前期はその経営再建計画「東芝ネクストプラン」の1年目だった。53年ぶりの外部トップで三井住友銀行出身の車谷社長にとって初めての通信簿でもある。だが、コロナの影響で営業利益は目標に100億円ほど届かなかった。

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