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「社会や生活が変化し半導体需要は一層増加」 インタビュー/ディスコ 社長 関家一馬

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成長が続く半導体製造装置。シリコンウェハーの切断装置で世界シェア7割超を握るディスコの戦略を聞いた。

──コロナ禍における半導体需要の動向をどうみていますか。

せきや・かずま 1966年東京都出身。88年慶応大学理工学部卒業、89年ディスコに入社。技術開発部長、常務などを経て2009年4月から現職。

スマートフォンの買い控えなどによる落ち込みがある一方、在宅勤務への移行が進んだことによって、パソコンを買い替えたりタブレット端末を導入したりして、半導体の需要が伸びている面もある。これらが打ち消し合って、全体としては少しマイナスになる程度ではないかとみている。

今後は社会や生活の変化がまず加速する。例えば、飲食店での注文方法は変わると思う。メニューに触れずに、自分のスマホで注文できるシステムを導入するところが増えるだろう。企業では接触リスクを下げるために、遠隔ロボットやテレビ会議の活用が増えていく。ゆくゆくは、自動運転を導入する動きがもっと加速するだろう。

われわれの業務でも、これまでタブーだった遠隔での顧客サポートを緊急避難的に取り入れた。テクノロジーは一度始めると、便利だから一気に広がる可能性が高い。そしてそこにはITが使われており、必ず半導体の需要や役割が増えていく。その半導体を造るのに必要な製造装置の需要も減ることはないはずだ。

──足元の業績への影響は。

事業環境にも大きな変化はない。工場はフル稼働が続いている。コロナ禍がなければもう少し忙しかったといったところだ。購入が後ろ倒しになった装置も少しあったが、むしろ今後の混乱に備えて一部の消耗品を蓄えておこうという動きもあるほどだ。

──半導体製造装置における日本メーカーの優位性は、今後も維持できますか。

半導体製造装置の強さには、日本人の価値観が関係していると思う。ディスコにも、東京大学や京都大学などの大学院を修了した優秀な理系人材が入社してくれている。彼らは当社の「切る・削る・磨く」という職人的なところに「カッコよさ」を感じてくれる。ところが、中国の国立大学トップクラスの学生には、なかなかそう思ってもらえない。

──中国の優秀な学生が現地の装置メーカーに行くこともない?

ないと思う。(中国の)優秀な学生はITに行ってしまう。

日本人はものづくりのマニアックな部分に魅力を感じる文化を持っていて、製造業に優秀な人材が集まる。転職が少ない社会であるということもプラスだ。技術者の得たスキルが社内に蓄積され、散っていくことがない。日本の半導体製造装置メーカーはその強みを生かしていると思う。

われわれに部品を供給してくれているサプライヤーにも同じことがいえる。クラフトマンシップ(職人としての気概)が必要な業界では、今後も日本企業の強みが生き続けるはずだ。

──過去を振り返ると、半導体は需要の浮き沈みが激しい。事業を安定させるためのM&A(合併・買収)などは考えませんか。

うちは「切る・削る・磨く」を窮めることしか考えていないので、買収はしない。現在のシェアを維持しながらきちんとした利益を得ることが重要だ。もちろん自力でのシェア100%を目指すことは諦めていない。

(聞き手 高橋玲央)

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