小国シンガポールは中継港となり世界トップ級に躍り出た。釜山や欧州の港も国力を超えた実力を持つ。
厳重なセキュリティーチェックを終えてシンガポール港のパシルパンジャンターミナルに足を踏み入れた途端、大型コンテナを載せたトレーラーが数珠つなぎで走行している様子が目に飛び込んできた。道の両側には色とりどりのコンテナが5段、6段と積み重ねられ、はるか遠くまで壁のように連なる。交差点を曲がると、やはり見渡すかぎりコンテナの壁。1日にさばくコンテナ個数は10万TEU(20㌳換算のコンテナ個数)。東京港の7倍のスケールだ。これがコンテナを含む取扱貨物量で世界第2位を誇るシンガポール港の実力である。
トレーラーの運転手を除き、作業している人がほとんど見当たらない。「ITの導入で現場に来る必要がなくなった業務がいくつもある」と、シンガポール港を運営する政府系企業PSAコーポレーションの広報担当者が説明する。敷地内でコンテナの整理をする門型クレーンの多くは、離れた建物の中から遠隔操作されている。1人の作業員が複数のクレーンを同時に扱うため効率化でも威力を発揮する。トレーラーも有人運転だけではなく、AGV(自動搬送車)が港湾のあちこちで活躍中だ。
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