1隻約4億5000万円──。トヨタ自動車がレクサスブランドで2019年10月に発売したクルーザーの価格だ。
ラグジュアリークルーザーは非常に高額だ。プレジャーボート国内最大手のヤマハ発動機は大型のタイプを扱っていないが、それでも高価なものは2億円近いという。
ヤマハ発動機マリン事業本部の飯田勝哉マーケティング統括部長は「(プレジャーボートは)法人での購入が圧倒的」と話す。個人経営の企業が社員の福利厚生や節税を目的として購入するのだ。船は車と比べて償却期間が短いうえに高価。しかし、中古なら500万円前後のものもあるといい、償却が終わった後に売却する際、残価が高く取れることも魅力。儲かったときに福利厚生を兼ねて購入すれば短期で償却でき、節税になる。
とはいえ、大型船の需要は限られている。全長10メートル以下の小さい船は国内でも年間1000隻ほどの市場があるが、10メートル超では100隻前後に限られると飯田部長は指摘する。首都圏ではボートの置き場であるマリーナの空きも不足しており、購入のハードルは高い。
だが、市場が広がる道はある。レンタルだ。実際、釣り船では乗り合い船や貸し切り船の市場が確立している。そこで、ヤマハ発動機が取り組むのが「シースタイル」。06年にスタートしたレンタルボート事業だ。基本プランは入会金2万2000円、月会費3300円。レンタルには別途費用がかかる。基本はボートのみのレンタルだが、免許がなくても利用できるチャータープランもある。「(ボートの)裾野を広げたい」(飯田部長)との狙いがある。
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