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「自働化」で躍進!存在感を増す名古屋港 東京・横浜の一体運営は幻に、国内主要港の戦略はバラバラ

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国は国内主要港の強化に動き出した。だが集中と選択が不十分だ。

ターミナル管理棟の遠隔操作室でRTGを操るオペレーター。1人で複数台の操作ができる

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ゲーム機のコントローラーを思わせるスティックとディスプレーが机上に並ぶビルの一室。画面を真剣な目で見つめるオペレーターが操るのは、むろんゲームではない。「RTG」(ラバータイヤ式ガントリークレーン)と呼ばれる巨大な門型クレーンを遠隔操作し、トレーラーへのコンテナ積み降ろし作業を行っているのだ。ここは、名古屋港の飛島埠頭(愛知県飛島村)に位置する「飛島埠頭南側コンテナターミナル」。IT化が進む同港を代表する、日本の港で唯一の「自働化ターミナル」だ。

自動化ではなく、「ニンベン」が付く自働化。単なる機械化ではないという意味だ。「自働化は作業を平準化するための道具」と話すのは、船舶・港湾運送・陸運10社が出資する同ターミナルの運営会社、飛島コンテナ埠頭(TCB)の広報担当者。「平準化で高いサービスを提供できる」という。

船へのコンテナ積み降ろしを行うクレーンはオペレーターが運転席に乗り込むが、ほかの作業はほぼ自動。遠隔操作で行うトレーラーへの積み降ろしも、コントロールが必要なのは一部の作業のみで、1人で複数のクレーンを動かせる。

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