船・港 〜海の経済学〜 ニッポンの生命線が危ない

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海運業界は集約が進み、造船業界も再編待ったなし。世界の港湾ではコンテナ機能強化が進むが日本は周回遅れ。変貌する船と港の現状を追う。

本誌:大坂直樹、岡田広行、小佐野景寿、高橋玲央、橋村季真、森田宗一郎

週刊東洋経済 2020年2/22号
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シンガポールのランドマークタワー、「マリーナ・ベイ・サンズ」。最上階の展望デッキで人気を集める眺望が、目の前を行き交うおびただしい数の大型貨物船やタンカーだ。欧州、北米など、世界中の船がシンガポールに寄港し、荷物を積み替え、別の港に向かう。

シンガポール港に停泊するおびただしい数の貨物船やタンカー。この光景が毎日見られる(河口信雄/アフロ)

海運業は世界経済の縮図だ。世界の経済成長を物流面で支えている。中国や東南アジアの経済は世界経済を上回る速度で成長しているが、2018年における世界の主要地域でのコンテナ荷動き量を見ても、東アジア─北米間、東アジア─欧州間など、東アジアを中心とした物流が圧倒的に多い。

四面を海に囲まれた日本において貿易の主役は海上輸送だが、成長が続く世界の海上輸送量に対し、日本の海上輸送量は横ばいにとどまることが、冴えない日本の景気を反映している。

そして、日本の生命線ともいえる船と港湾を取り巻く様相が近年大きく変わっている。

世界の海上輸送の転機となったのが、1960年代に起きたコンテナ規格の統一だ。それまでバラバラだったコンテナ規格が統一された結果、人手に頼っていた積み下ろしが機械化され、物流コストが劇的に下がった。

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