新春対談「政治・物価・道州制・企業」
失われている〝善政競争〟への意欲、「国是」を設けよ
松下 新しい年を迎えて、何かと考えさせられる問題が非常に多いように思えますね。
永野 まったくそのとおりです。
松下 日本の政治については、いろいろ批判があるものの、しかし、戦後の日本をここまで発展させてきた1つの大きな柱は、やはり政治の力だということはいえると思います。だが今日の政治の姿には、「はたしてこれでよいのか」と問いたくなるような面が随所に見られるといっていいのではないでしょうか。
今年の課題の1つは、この政治のゆがみに勇敢に手をつけていくことではないでしょうか。
永野 日本が終戦後の惨禍から世界を驚かすほどの立ち直りをみせたその背景には、われわれ経済人がみずから経済問題と取り組んだ努力があったことはいうまでもない。と同時に、やはり政治の協力というものがなかったならば戦後の経済成長はこれほど成功はしなかったといえるでしょう。
ところが、お話のとおり、最近の政治の実情というものを見ると、このままでいいのかどうか非常に考えさせられるものがありますね。
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