パナソニック非常事態 迫られる抜本改革

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テレビの敗北から復活したはずのパナソニックが、難局を迎えている。テスラとの協業を軸とした車載による成長の目算が外れ、抜本的な経営の変革を迫られている。

本誌:印南志帆
写真:テスラが電気自動車を生産するギガファクトリー。電池を供給するパナソニックの津賀社長は、テスラのマスクCEOとの値上げ交渉を行っている

米国ネバダ州の砂漠に広がる、18万平方メートル超の広大な敷地。今年6月、米テスラとパナソニックが共同で運営するリチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」に、パナソニック津賀一宏社長(62)の姿はあった。

対峙したのは、テスラのイーロン・マスクCEO(48)だ。この場で津賀社長はマスクCEOに対し、テスラの看板商品である小型セダン「モデル3」に供給している車載電池の値上げを迫った。

「テスラがきちんと利益を出せるようになるまで、われわれは少しでも安く電池を供給できるように努力する。ただ、あなたたちの利益が出たら、今度は全生産量分の電池を値上げさせてほしい。このままでは、事業を続けられない」。テスラの業績は赤字続きだが、2019年度に入り、同社は黒字化のメドを示唆している。津賀社長の必死の要望に対し、マスクCEOは耳を傾けていた。

津賀社長がギガファクトリーに出向くのは、今年に入ってから3回目。それまでは半年に1回程度しかマスクCEOと会っておらず、そのほかのコミュニケーションはメールやJB・ストローベルCTO(現アドバイザー)を通じて行ってきた。だが、今年に入り訪問頻度を急に上げ、津賀社長がマスクCEOと直接面会し、契約条件の改定や今後の電池の需要について協議を重ねてきた。

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