

本社 この日米安全保障条約というのは、止むを得ない条約であると思いますが、問題はいろいろあるようです。行政措置という手続にしても、再軍備の財政負担や、憲法上の疑義などひっくるめて皆様の御意見をお聴かせ下さい。
まず、日本と中共、ソ連との関係は、この条約によって非常に悪化し、却って戦争の危機を多くすると懸念する向がありますが、この点、一松さんいかがでしょう。
協定をめぐる種々相
対等な軍事同盟を結べ
一松 そうですね、私はこの条約だけによって特に悪化するとは考えない。むしろ日本は、講和条約締結後のいわゆる空白の心配がなくなり、中共やソ連から見ても日本の態度が、ハッキリしてきたということで、却って安定が得られるのではないかと、その逆に私は考えているのです。

本社 中曽根さんいかがですか、その点について…。
中曽根 この安全保障条約は国民の意思でもあるし、国の歩み方としては間違っていないと思います。ただ私は、もっと突込んだ関係にしなければいけないという考えをもっています。
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