
お金、生きがい、貢献…、働く理由を考えてみよう
評者 北海道大学大学院教授 橋本 努
「もし一生楽に生活できるだけのお金がたまったとしたら、あなたはずっと働きますか、それとも働くのをやめますか」(日本人の国民性調査)
過去40年間、日本人の6割以上はこの質問に対して「働く」と答えてきた。お金が十分にあっても働きたい。結構多くの人がそう思っている。別の調査で「働く理由」を尋ねると、「お金を得るため」と答える日本人は約5割。残りは「生きがいを見つけるため」「社会の一員として務めを果たすため」「自分の才能や能力を発揮するため」と答えている。回答の傾向は過去15年間、変化していないようである。
お金以外のために働きたい。そう思う日本人が多い一方で、「やりがいのある仕事」は減ってきた。内閣府の調査によると、「仕事のやりがい」が満たされている人の割合は、1980年代前半の30%台から、2005年には16.6%にまで落ち込んでいる。
やりがいのある仕事を見つけたい。そうした関心に応じるべく、著者は診断方法(リクルート・キャリア・アセスメント・プログラム)を開発した。「職場環境」「仕事の仕方」「キャリア志向」の3つの視点から、各人に合った仕事を提案する仕組みだ。
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