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『デジタル経済と税 AI時代の富をめぐる攻防』 『メイド・イン・トーキョー 墨田区モノづくり中小企業の未来』ほか

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デジタル経済と税 AI時代の富をめぐる攻防
デジタル経済と税 AI時代の富をめぐる攻防(森信茂樹 著/日本経済新聞出版社/2200円+税/285ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
もりのぶ・しげき●1950年生まれ。73年京都大学法学部卒業、大蔵省入省。税制第2課長、主税局総務課長財務総合政策研究所長を経て、中央大学法科大学院教授。現在同大学院特任教授など。『日本の税制 何が問題か』『消費税、常識のウソ』『税で日本はよみがえる』など著書多数。

企業、個人の稼ぎ方変化、新たな富の配分方法探る

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

買い物、夕食の注文など生活の多くをスマホアプリで完結する人も多い。デジタル経済で利便性は著しく向上した。その負の側面として、経済格差の拡大とともに指摘されるのが、租税の捕捉漏れだ。アマゾンなど米国の巨大IT企業は、日本を含め米国外で税金をあまり払っていなかった。

自国でビジネスを展開する外国企業の税を捕捉できなければ、社会保障など必要な財源も確保できない。税を払う自国企業との公平性の問題も生じる。デジタル社会にふさわしい税制をいかに構築すべきか、第一人者が論じた。

ことの発端は、米国のスターバックスがタックスヘイブンを利用し、英国で税金をほとんど納めていないことが露見したことだった。デジタル企業は、付加価値の中核が無形資産にあるうえ、それを低税率国に移転すれば、租税の捕捉はさらに困難になる。

プラットフォーム型ビジネスの場合はなおさらだ。アマゾンは日本で大々的にネット販売を行うが、物的な拠点が存在しないため、日本では課税できない。配送用の倉庫は、従来、税の根拠となる恒久的施設とは見なされていなかった。今回、法改正で恒久的施設と位置付けるようになったが、日米間で租税条約が改定されていないため、引き続き課税できないままだ。

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