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『PIXAR 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』 『流言のメディア史』『インサイド財務省』ほか

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PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話
PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話(ローレンス・レビー 著/井口耕二 訳/文響社/1850円+税/317ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
Lawrence Levy●ロンドン生まれ。ハーバード・ロースクール修了、シリコンバレーの弁護士から経営者に転じる。1994年にピクサーに入り最高財務責任者として株式公開を主導。経営から退いた後は東洋哲学や瞑想に傾倒。また、ジュニパー基金創設者の1人として積極的に活動している。

ジョブズとの二人三脚とその後。爽快な読後感!

評者 東洋英和女学院大学客員教授 中岡 望

大のアニメファンである評者にとって、初めて3Dグラフィックス技術のみで制作された長編アニメ『トイ・ストーリー』は衝撃的だった。セル画のアニメにはない、登場人物の動きや色合いの自然さに興奮した。これを作ったのが、スティーブ・ジョブズがオーナーのピクサーだ。

1994年、著者がジョブズから1本の電話を受けるところから本書は始まる。ピクサーは、優れたコンピューター技術を持つシリコンバレーの企業と魅力的な物語を語るハリウッドの企業を融合させたようなベンチャー企業だ。だが、まさに『トイ・ストーリー』の制作に手間取り、巨額の赤字を垂れ流していた。

ジョブズは、ピクサーを立て直し株式公開を実現できる人材を探していた。当時ピクサーは「あちこちさまようばかりで、進むべき道さえ見えていなかった」。だが、会社を訪問した著者は、「想像もできないほどクリエイティブで技術的な魔法」を経験し、ジョブズのオファーを受け、最高財務責任者に就任する。

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