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進む外国人ドライバー活用、「免許切り替え」の壁、人手不足解消の切り札となるか、現地での育成も

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日本で外国人の免許切り替えが難しくなる中、ドライバー不足を解消するために、ジップラスはインドネシアで日本式の自動車学校を開校した(写真:ジップラス)

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トラックドライバーの高齢化や人手不足が叫ばれて久しい。物流業界ではドライバーの残業を規制する「2024年問題」を機に、運賃の適正化交渉に伴い賃上げも進むが、「長時間労働で低賃金」というイメージを覆すのは簡単ではない。

国土交通省などの検討会によると、何も対策を打たなければ、30年に輸送力が約34%不足する可能性があるという。物流危機を回避するため、運送各社が進めるのは外国人ドライバーの採用だ。

宅配首位のヤマト運輸は27年以降、ベトナムから毎年100人の採用を目指すと発表。運送大手のセイノーホールディングスは今年8月、人材紹介会社などと組み、外国人材の育成や定着支援を目的としたコンソーシアムを結成した。

試験の難化で合格者ゼロも

こうした動きは日本政府が24年3月、特定技能制度に「自動車運送業」を追加したことが背景にある。外国人がトラックとタクシー、バスの運転手として最長5年働けるようになり、今後5年で計2万4500人の受け入れを見込む。

ただ、想定通りに計画が進むかは未知数だ。壁となるのが、今年10月に厳格化した「外免切り替え」の試験。海外の運転免許を国内用に切り替える手続きで、各都道府県の免許センターに申請し、筆記と実技でのテストを通過しなければならない。

運転免許の取得支援を手がけるジップラス(東京都渋谷区)によると、従来の筆記テストは10問中7問に正解すれば合格で、イラスト形式のものが多かった。だが、10月から出題50問の正答9割以上で合格、すべてが文書形式に変更された。

その結果、9割ほどだった通過率は劇的に低下したとみられる。実技の方は元々3割程度と低かったが、さらに採点が厳しくなり、都道府県によっては1カ月の合格者がゼロというケースも生じているという。

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