閣僚辞任が相次ぐが、より深刻なのは野党の状況。解散総選挙もありうる。
『週刊文春』のスクープ、いわゆる「文春砲」で秘書が選挙区内の有権者に香典を渡したとして公職選挙法違反の疑いを追及されている最中の10月下旬、菅原一秀前経済産業相が辞任。大学入学共通テストに導入される英語の民間試験について「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と口を滑らした萩生田光一文部科学相が発言撤回に追い込まれた。
さらに河井克行前法相も、妻で自民党の河井案里参議院議員の秘書が7月の参院選で運動員を買収した疑いがあると「文春砲」で表面化し、辞任。安倍晋三内閣は、閣僚の不祥事、辞任が相次いで政権崩壊に至った第1次内閣の悪夢を思い起こさせるような、負のスパイラルに入りつつあるように見える。
しかし、衆議院議員任期切れまで約2年(任期満了日は2021年10月21日)となり、いつあってもおかしくない衆院解散、総選挙を控えてより深刻な状況に陥りつつあるのは野党のほうかもしれない。10月1日から税率が10%に上がった消費税と、安倍首相が意欲を隠さない憲法改正への対応をめぐって、野党陣営が四分五裂する可能性が出てきたからだ。
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