民主党代表選、錯綜する対立を制するのは? 世代対立、路線対立、政策対立・・・
悩ましいのは凌雲会を率いる前原氏も同じだ。前原氏はかつて凌雲会のメンバーだった細野氏と野党再編という点で方向性は同じ。いわば「自主再建」を目指す岡田氏とは一線を画す。17日には代表選出馬を決意した細野氏から協力を依頼されてもいる。だが前原氏は即答を避けた。
党運営を巡る路線だけでなく、根本的な政策面での対立軸もある。代表選が岡田氏と細野氏の一騎打ちになると保守色に偏る。そこで、リベラル系の発言力が低下することを懸念し、出馬の意思を示したのが篠原孝元農水副大臣と長妻昭元厚労相だ。赤松広隆元農水大臣が率いるサンクチュアリは26日、長妻氏を支持することを内定している。
ただし篠原氏との調整が難しく、大畠章宏前幹事長が率いる素交会は決断を下していない。26日夕方、大畠氏は早々に地元に引き上げたため、4時から予定されていた長妻氏の出馬会見は流れている。
岡田氏が網膜剥離で緊急入院
そんな中で発表されたのが、岡田氏の緊急入院だ。網膜剥離のために手術が必要で、術後は1週間から10日ほどの静養が必要とのこと。1月7日の告示日までには復帰できる見込みだが、27日から予定していた東北行きはキャンセルされた。
26日の仕事納めがすぎたこともあり、年末年始はとりあえず大きな動きはないだろう。岡田氏は、大地(鈴木貴子氏)や生活(鈴木克昌氏と小宮山泰子氏)の票も取り込んだと言われる。しかし細野氏も馬淵澄夫氏や長島昭久氏の支援をとりつけるなど、善戦をしている。サンクチュアリなどリベラルグループは長妻氏を支持するだろうが、横路孝弘氏は「自由投票」と述べており、北海道グループの票は岡田氏に流れる模様だ。
総じてみると、岡田氏が優勢といえる。岡田氏が代表に選出されれば、2004~2005年以来の10年ぶりの代表返り咲きということになる。熟練の政治家であると同時に、スキャンダルとも縁遠い。しかし、誰が選ばれるにしろ、圧倒的に強い安倍自民党を前にして、前途多難であることは間違いない。
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