ディーラーとして再出発 ヤナセの苦闘と原点回帰


 市場が拡大している時期はステータスシンボルとしての魅力が輸入車販売の原動力だった。しかし市場の成熟化も相まって国産車と輸入車の垣根は低くなった。そのことが逆に商品=価値のビジネスチャンスを生みだすというのがヤナセの見方だ。「国産車に比べた輸入車のよさは乗ってみればわかる。そしてよい車に乗ったら欲しくなる」(西山社長)。「昔は車を売るというより、車が勝手に売れていた時代もあった。今は原点回帰して、一つひとつの小さな利益を積み重ねていく。車は最後までセールス担当が必要な商品。お客様は車と人の両方を見て買ってくださっている」(北河原東京支店長)。

「選ばれるディーラー」になるための社内研修を増やし、顧客との会話から、どのようなニーズがあるのか情報の収集に一層努める。

現在、ヤナセは創業100周年を迎える15年に、質の面で世界一の輸入車ディーラーになるという目標を掲げている。黄金時代からどん底に突き落とされたヤナセは、築き上げたブランド力を生かすことができるのか。底力が試されている。

(松浦 大 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済2011年1月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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