これが新日本プロレス、闘魂の復活劇だ! 1.4東京ドーム決戦は通過点にすぎない
とはいえ、これも通過点にすぎない。確かに2014年7月期は22億円超の売上高を記録したが、1997年の絶頂期と比較すると半分程度。「東京五輪が開催される2020年には100億円の売り上げを目指す」と、手塚社長の鼻息は荒い。その目標達成に不可欠なのが、グローバル展開だ。
新日本が現在、戦略地域の1つと位置づけるのが欧米。すでに、米国の3団体と業務提携していて、2014年には現地で共同興行も開催した。単独ではなく、現地の情報を持つ団体と一緒に興行することで、運営面のリスクを軽減する狙いもある。今後は欧米向けの動画配信なども積極的に行っていく構えだ。
もう1つの重点地域が東南アジアだ。すでにタイではワールドプロレスリングを放映するなど、少しずつではあるがプロレスの浸透を試みている。さらに手塚社長はこんな構想を明かす。
「プロレスがない国からプロレスラーを作りたい。その選手を日本のリングに上げて経験を積ませた後に、将来は凱旋試合をしてもらうことで、現地の活性化につなげていきたい」。プロレス文化が根付いていない地域だからこそ、「新日本が(東南アジアで)スタンダードになる可能性もある」。
復活の影に潜む課題
上り調子に見える新日本だが、課題もある。過剰ともいえる所属選手の数だ。現在、新日本の地方大会では1日5~7試合が組まれるが、メインイベントになるとトップ選手が5対5でぶつかる10人タッグマッチも珍しくない。
大勢のトップレスラーが1つのリングに居並ぶのは圧巻だが、選手1人ずつの試合時間は短くなる。観客からすれば、消化不良を起こしている可能性もある。
「これ以上、試合数を増やすのは、選手の負担を考えると無理。その中でお客さんに見てもらう機会を増やすのであれば、以前やっていたように選手を(グループに)わけて興行するのも、選択肢の1つかもしれない」(手塚社長)
1月4日は毎年恒例の東京ドーム大会が開催される。前回大会は3万5000人の観客を動員。昨年実施したさまざまな取り組みが、今回のビックマッチでどれだけの観客増に結び付くのか。2020年の売上高100億円という目標に向けて、今回のドーム大会は1つのマイルストーンになりそうだ。
(撮影:尾形文繁)
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