「福岡高校OBの大隅良典東京工業大学栄誉教授が2016年にノーベル医学生理学賞を受賞したとき、修猷館高校OBとして悔しかったですね」。そう語るのは、修猷館(しゅうゆうかん)同窓会で常任幹事長を務める歯科医の大賀啓史だ。
当時、同窓会長だった西日本シティ銀行会長の久保田勇夫は「首相、五輪での金メダリスト、ノーベル賞受賞者を出して初めて名門一流高校といえる。うちからはまだノーベル賞が出ていない」と悔しがっていたそうだ。修猷館卒業生には、元首相の広田弘毅、戦前のベルリンオリンピックの200メートル平泳ぎで金メダルを取った葉室鐵夫がいる。
一方で福岡高校側の反応といえば、卒業生を中心に「大隅先生のおかげで、修猷に勝った」。ただ、旧制中学時代も含めて福岡高校の卒業生から、首相と金メダリストは出ていない。
修猷館が長男、福高が二男、筑紫丘が三男
修猷館は黒田藩の藩校として1784(天明4)年に開校し、200年を超える伝統を誇る県下随一の名門校。これに対して、1917年創立の福岡高校は昨年100周年を迎え、修猷館の寄宿舎を仮校舎として開校した歴史があることから、「福高(ふっこう)には、兄に何とか勝ちたいといった兄弟間にあるような競争心がある」と、福中・福高同窓会幹事長の堺知行は説明する。
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