規模ではなく開発技術で世界大手に挑む国内製薬会社だが、道のりは決して平坦ではない。
国内製薬中堅の小野薬品工業と、世界4位の米メルク(米国とカナダ以外での社名はMSD)が、がん免疫治療薬市場の覇権をめぐって、激しく争っている。
小野薬品が米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と提携して海外展開するがん免疫薬の「オプジーボ」は、2017年にグローバル売上高約6500億円を稼ぎ出した大型薬だ。対するメルクの「キイトルーダ」の売上高は約4300億円。適応対象のがん種の拡大で先行したオプジーボが一歩リードする。
2製品は14年に発売されると爆発的ヒットを記録し、すでに合計1兆円を超える巨大市場を形成しているが、両陣営が適応対象を増やすために熾烈な開発競争を繰り広げており、市場はさらに拡大する見通しだ。
ちなみにオプジーボは、1人当たり年間3500万円の薬剤費がかかる「超高額薬」として国会などで取りざたされ、メディアをにぎわせてきたため、一度は耳にした読者も多いだろう。大幅な薬価引き下げの議論を巻き起こし、後に製薬業界に大ダメージを与える薬価制度抜本改革の一要因となった(→関連記事へ)。
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