製薬会社において画期的な新薬を生み出すことが難しくなっている中、独自の技術を基に開発を進めるバイオベンチャーの存在感が高まってきている。特に従来の薬では治せないケガや病気の次世代治療法として注目を集めているのが再生医療だ。
大阪大学の澤芳樹教授は5月、iPS細胞由来の心筋シートで重症心不全の臨床研究を開始すると発表した。iPS細胞は京都大学の山中伸弥教授が開発し、ノーベル賞も得た日本発の技術だ。
そのiPS細胞による創薬を手掛ける企業の代表格がヘリオスだ。理化学研究所発のiPS細胞による加齢黄斑変性治療技術の事業化を目指す。理研より治療が簡単な、細胞を混ぜた液剤を注射する方法で臨床試験の準備をしている。
再生医療の開発は体細胞と幹細胞が先行
iPS細胞は新しい技術で、腫瘍(しゅよう)化リスクや免疫拒絶など多くの未知の問題をクリアする必要があった。世界ではそういった問題の少ない体細胞、幹細胞による治療の開発が先行している。iPS細胞などの培養液で知られるリプロセルも、脊髄小脳変性症の細胞医薬品の開発を進める。
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