Part1で見てきた子どもの貧困をはじめ、日本でも格差が広がり、貧困に苦しむ人たちが多くいる。
「今でも一億総中流の平等な社会だと思い込んでいる人が多いが、日本は階級社会だ」
社会学者の橋本健二・早稲田大学教授はそう断言する。階級とは生産手段など経済的資源の所有状況によって、地位を区分したものだ。ちなみによく似た言葉である階層は、所得や学歴、企業規模、ライフスタイルなどさまざまな要因によって定義され、多種多様な分類がある。
橋本氏は著書『新・日本の階級社会』(講談社現代新書)で、1955年から10年に一度行われている「社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)」などを基に、日本社会が階級化していることをデータであぶり出した。
その一部を抜粋したのが下図だ。日本社会は五つの階級に分類できるという。
階級ピラミッドの最上位は生産手段を所有し、労働者を使って事業を行う「資本家階級」だ。大企業のオーナーや経営者などが入る。254万人おり、就業人口の4.1%を占める。平均年収が604万円と少ない印象を受けるのは、零細企業の経営者も含むからだ。
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