子どもの貧困が深刻化し、貧困の連鎖が懸念されている。新しい下層階級「アンダークラス」が増える中、子どもの貧困を放置すれば、さらなる格差拡大につながる。改善は待ったなしだ。
≫≫Part1 深刻化する子どもの貧困
アルマーニ騒動で浮き彫りに 広がる子どもの格差
その騒動は、平等であるはずの公立小学校ですら、子どもの教育格差を助長しかねない実態を明らかにした。
高級ブランド店やデパートが立ち並ぶ東京・銀座。その一角にある中央区立泰明小学校は、2018年度の新入生からイタリアの高級ブランド、アルマーニが監修した標準服を導入すると決めた。
物議を醸したのはその価格だ。一式そろえると8万円を超える。中央区教育委員会によると16校ある区立小学校のうち14校が標準服を採用している。平均価格(アルマーニを含む)は130センチメートルサイズで2万5000円前後。学校によって指定のものが違うので単純比較できないが、泰明小との差は大きい。標準服の着用は必須ではないが、「ほぼ全員着ている」(教育委員会)という。事実上の制服だ。ちなみに在校生は従来の標準服で構わない。
泰明小は日本一公示地価の高い地区を含む、銀座1~8丁目が学区だ。住宅が少ないことから学校選択制(特認校制度)を採用しており、学校説明会への参加、学校の教育方針への賛同など細かな条件はあるが、中央区在住であれば学区外からも通学できる。その人気は高く、17年度は学区外の定員30人程度に対して38人が応募し、抽選となった(最終入学者27人)。
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