本当に困っている子どもたちを支援したい──。子どものいる貧困家庭に直接、食品を届ける試みを行っているのが東京都文京区だ。就学援助や児童扶養手当を受給している1000世帯の希望者を対象に、寄付やフードバンクで集めた食料を無償で2カ月に1回配る。自宅に届けた際に今の状況を確認したり、困り事を聞いたりするアウトリーチも目的の1つだ。
財源はふるさと納税で、文京区とNPO法人や財団など5団体が協働で事業を行っている。初年度は150世帯の枠を設けていたが、想定を上回る458世帯が申し込んできたため抽選となった。2年目の2018年度は600世帯に配送する仕組みを整えた。
子ども食堂の課題を克服
この「こども宅食」のアイデアを出したのは、子育て支援などを行うNPO法人のフローレンス。きっかけは同団体が開いた子ども食堂だった。子どもの居場所を作ることを優先し、対象者を限定しなかったことから「本当に困っている子がわからず、支援効率が悪かった」と担当者は振り返る。
こども宅食では、対象となる生活困窮者世帯へ文京区が手紙を送り、希望者を募る。個人情報を持つ行政と事業を行うことで、支援を必要としている人を明確にすることができる。
一方、文京区子育て支援課の鈴木裕佳課長も悩みを抱えていた。同区は所得の高い世帯が相対的に多く、貧困であることを隠しているケースが多い。子ども食堂のような場を設けても、貧困家庭と思われたくないという気持ちから出向かない。直接家に業者が届けることで、周囲に知られずに支援できるようになった。
初年度は8000万円超の寄付金を集めたが、「初年度だから集まったという不安もある」(鈴木課長)。事業を継続していくために、コストダウンや周知を進めていくという。






















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