有料会員限定

始まった無期転換ルール 非正規は救われるのか

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
(撮影:今井康一)

特集「連鎖する貧困」の他の記事を読む

アンダークラスを構成する非正規労働者。低収入で不安定な立場にいる彼らを政府も見過ごしているわけではない。

今年4月に開始されたのが無期転換ルールだ。これは改正労働契約法18条によって契約社員やパート、派遣など有期雇用で通算5年を超えて契約更新する有期社員が、希望すれば期間の定めのない無期雇用に転換できるという制度だ。転換対象者は約450万人と推計されている。

総務省の労働力調査によれば非正規労働者の数は2120万人(2018年2月)。全雇用者に占める割合は4割に迫る。

多くの会社にとって非正規労働者は戦力として定着しているにもかかわらず、日本人材派遣協会の調査によれば、3カ月以内の雇用契約が有期雇用派遣の8割を占める。そこで08年のリーマンショックで雇い止めが社会問題化されたのを機に、有期社員の雇用安定を図るための法改正が行われた。

だが早くも暗雲が立ち込める。

「正社員と同様の仕事を長年担ってきたのに、突然雇い止めされた」。医薬品会社で事務職のパートタイマーとして働いてきた50代の女性は話す。女性の勤続年数は14年を超え、これまで19回の契約更新を繰り返してきた。それが昨年9月、契約期間の満了を理由として雇い止めされた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内