困窮する子どもたちを救い、貧困の連鎖を食い止めるには何をすればよいのか。貧困問題解決に長年携わってきた社会活動家の湯浅誠氏と、教育行政を担ってきた前文部科学事務次官の前川喜平氏に、問題解決への処方箋を提示してもらった。
──銀座・泰明小学校の「アルマーニ標準服」は公立小にも格差があることを浮き彫りにしました。お二人はどう感じていますか。
前川 公立学校がやることとは思えず、全然理解できない。一定の特色を出すのはいいが、ああいう出し方ではいけないと思う。
湯浅 東京は日本一格差の大きな街だ。中央区にも生活が苦しい家庭の子がいるはずだし、家計が急変することもある。みんなを受け入れるべき公立校としてどう考えたのか。今回の行いは疑問だ。
前川 泰明小は特認校(中央区全域から入学可能)で、毎日銀座へ通学するという点でブランド化を図ろうとしたのかもしれない。
特認校制や自由選択制のような学校選択制は、東京でも23区それぞれで考え方が分かれている。選択を認めることで競争が起こり、全体の質が高まるという考え方と、学校にその地域の保護者や住民が参画する仕組みを作ることが大事という地域重視の考え方が、この20年間つねに対峙している。
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