【産業天気図・石油・石炭製品】需給底堅く、足元の精製販売マージン弱含んでも「曇り」維持

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 4月に新日本石油、日鉱グループの経営統合で誕生した最大手、JXホールディングスは上期に真水ベースで1500億円の経常益を計上。同じ真水ベースでみると、出光興産は650億円、コスモ石油も400億円近い経常益を上期に稼ぎ出している。

上期は想定外の猛暑効果があったため、下期のマージンは上期比較ではやや弱含む。ただし、業界の生産調整などにより、石油製品の需給は下期も大きく崩れてはいない。12月中旬時点でみると、これから最需要期を迎える灯油はむしろ例年より在庫量が少なく、ガソリンも在庫水準に過剰感はない。こうした点を考えると、精製元売り各社は下期も総じて安定した精製販売マージンを確保できそうだ。

なお、11年度前半は猛暑効果の反動が避けられないが、JXを始めとして過剰設備削減の動きも広まっている。石油製品の需要自体は減るが、業界の需給調整効果でマージンの縮小は小幅にとどまる可能性もあり、現時点では11年度前半も「曇り」を予想する。
(渡辺 清治=東洋経済オンライン)

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