さらに、敷地内は非常に広く、遊園地と水族館が融合したような独特のスタイルになっている。イルカを見た後にジェットコースター、シロクマを見ながらの急流下り、そして中央の湖や路上で行われるショーを見るといった遊び方も新感覚で、文句なしに楽しいリゾート地に仕上がっている。
アトラクションをゾーン分けしているところや、表示の仕方、演出の仕方を見ていると、ディズニーランドを相当研究している。いや、本気でディズニーランドを越える気合いを感じる、本格的リゾートだ。
さらに驚いたのは、ソフト面のレベルの高さ。おつりを間違えたと、レストランの従業員が、わざわざ私を探して、5元を持ってきた。道には、ゴミがひとつも落ちていない。清掃員が多く配置されていて、すぐに拾っているのだ。
「中国は、ハードがあっても、ソフトがダメ」というのは、よく言われる。でも、ここのリゾートは、ソフトの問題も乗り越えた。その努力を想像すると、頭が下がる。
それでも、やはりあの問題が……
しかし、整然としていたのは客の少ない午前中だけだった。午後になって客が増えてくると、拾いきれないゴミが散乱し、清掃員ももう諦めモードになっていく。
そして夕方には、ひどい状態になっていった。アトラクションに並んでいると、「こっち来いよ!」と集団で割り込みまくる人たちがあらわれ、道の真ん中で子どもに小便をさせる親たちまでいた。
結局、最後に残った課題は『客の質』なのかもしれない。田舎から出てきた成金たちのマナーの悪さは、信じられないほどひどい。中国は広いため、ここを改善していくには時間もかかるだろうし、なかなか難しいように思う。中国のサービス業、最後の課題は『客』にあるのかもしれない。
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