経済的な理由や年齢が子を持つことの障害になっているのは、夫婦のみの家庭だけではない。
東京・港区に住む斉藤慶子さん(仮名・29)は大手保険会社やベンチャー企業で働いていたが、昨年、第1子の男の子を出産し、それを機に退職した。夫は子ども好きで3人が希望だが、自分自身は1人で十分だと思っているため、「人数をどうするかで、いつももめる」。斉藤さんが1人でいいと感じる一番の理由は経済的な面だ。
夫は証券会社に勤め、給与水準は低くない。斉藤さん自身もパートで働いている。にもかかわらず経済的な問題を口にするのは、息子の教育におカネを使いたいと考えているからだ。すでに英語と水泳、体操に通わせているが、2人目を持つと1人にかけられる額は半分になってしまう。
「子どもが将来どんな道に進むにしても、やりたいことをやらせて可能性を広げてあげたい。そのときに経済的な事情であきらめさせたくない。1人であれば十分なおカネをかけてあげられる」(斉藤さん)
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