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問われる「子を持つ覚悟」特別養子縁組の厳しさ 関心を持つ夫婦が急増

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(イラスト:こまつめ組)

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「この子が私たちの子どもになるんだ」──太田美代子さん(仮名・52)は7年前、生後1カ月の長男との初対面を振り返り、「言葉で表現できない喜びに包まれた」と顔をほころばせた。

43歳で結婚後、太田さんは1年ほど自然妊娠を希望しながら過ごした。だが1年経っても妊娠の兆候は見られない。年齢的にもう妊娠は難しいかもしれないと結婚当初から考えていた太田さん夫婦は、少しずつ養子縁組を考えるようになった。

2人とも血のつながりが絶対に必要だとは考えてはいない。夫婦2人の穏やかな生活に不満はないが、経済的、精神的なゆとりがある自分たちが家庭を与えてあげられるのなら、養子縁組するのもよいと思った。

児童相談所に行き、夫婦そろって講義や施設見学などの里親研修を受講。その後の家庭訪問、県の児童福祉審議会での審議を経て里親に認定、登録をした。1年後、児童相談所経由ではなく民間の養子縁組斡旋事業者の仲介によって、冒頭の長男との出会いの日を迎えた。

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