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男性の育休を阻む「パタハラ」の恐怖 これでは子どもを持てない

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(イラスト:こまつめ組)

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「育児をしない男を、父とは呼ばない。」──こんなフレーズが載ったポスターが世に出たのは1999年のこと。歌手の安室奈美恵さんと結婚したTRFのSAMさんが赤ちゃんを抱く姿が写っていたが、当時学生だった筆者にとってはそれよりもフレーズのほうがインパクトがあった。

それを見たときに男性がもっと子育てに参加できる社会へと変わるのではないかと期待した。しかし17年の月日が流れた今も、残念ながら状況はそれほど変わっていない。

東京都内の電子部品メーカーに勤める男性Aさん(36)は共働きの妻を支えたいという気持ちが強く、第2子が誕生したら育児休業を取得しようと思い立った。

会社に報告したのは子どもが生まれる約半年前のことだ。恐る恐る上司に育休を取得したい旨を伝えたところ、返ってきたのは「その頃は繁忙期なのを知っているよね」という厳しい一言だった。

当然Aさんだってそのことはわかっていた。しかしAさん夫婦の実家は遠方にある。里帰りして出産するという選択肢も考えたが、両親が高齢なこともあって、大きな負担をかけてしまう。しかも5歳になる長男には発達障害の傾向があり、現在通っている保育所に継続的に通わせたいという思いがあった。だからこそAさんが育休を取るという決断をしたのである。

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