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資生堂ショックが問う子育て優遇の是非 割を食う育児のない社員

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従来の一律的な制度利用の見直しに踏み切った資生堂(写真は本社)(撮影:今井康一)

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育児中の社員に対する一律で過剰な配慮の撤廃に踏み切ったのが資生堂だ。育児と仕事の両立支援のモデル企業、女性に優しい会社の代表格とされていただけに、その方針転換は「資生堂ショック」と呼ばれて大きな話題を呼んだ。

資生堂に何が起こったのか。同社には勤務時間を1日最大2時間短縮できる制度がある。1万人いる美容部員のうち1割超が利用していたが、そのシワ寄せとして独身者や子どものいない既婚者などに土日勤務や遅番シフトが集中し、「プライベートの時間が取れない」といった不満が続出した。

加えて時短社員の代替となる派遣社員では接客スキルに劣ることから、販売力の弱体化という問題も抱えた。そこで2014年4月から時短社員と上司が保育状況について面談し、できる範囲で土日や夕方のシフトにも入ってもらう要請をするようにしたのだ。

子育て社員に対する支援や配慮が必要なことは言うまでもない。しかし制度を充実させることによって、育児をしていない社員にシワ寄せが行き、社員間で溝が深まるという事態が顕在化している。厚生労働省の調査によると、育児休業などの利用者がいる職場で不満を感じている人が2割超いる。

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