「インターネットのがん情報(グーグル、ヤフー)で正しい情報にヒットする確率は50%以下」──。国立がん研究センターの後藤悌医師の論文を引用するまでもなく、ネットの世界には不正確で怪しい情報がはびこっている。むろん正確で信頼できるサイトもあるが、多くは運営主体や出典がしっかりと明記されてない“ジャンク”サイトといえるだろう。
一般の人ががん治療などの情報を入手する経路として、インターネットの信頼度は最も低い「ランク5」だと考えている。新聞や雑誌の医療情報も同様に信頼できない。著名な医師のコメントをもっともらしく引用している記事も多いが、権威者の意見は個人の主観が入り込むため、最も信頼できない情報の一つだ。
医学的に最高ランクに位置づけられる情報源は、権威ある医学雑誌に掲載された医学論文だ。特にランダム化比較試験の結果が掲載されているものは信頼度が高い(図1)。
ランダム化比較試験とは、新しい治療を受ける人と受けない人をランダムに分けて、治療結果を比較する試験のこと。たとえば、ビタミンCを飲む人と飲まない人を、年齢や性別、合併症の有無などを問わずにランダムに分けて、効果を調べる方法などがこれに当たる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら