一生涯のうち、2人に1人がかかるといわれる国民病「がん」。がん治療の進歩は目覚ましく、もはや死に直結する病とはいえなくなりつつある。
国立がん研究センターが今年1月に公表した「10年生存率」は58.2%。実に6割近くの人は、がんと診断されてから10年経った後も生存していることがわかった。しかも、このデータは10年前の医療水準を反映したものだ。その後に登場した新たながん治療薬や治療技術の進歩を考慮すれば、生存率はより高くなっている可能性がある。
治療は入院から通院へ がん診断後3割が退職
がん治療の主流も、入院・手術から通院中心の治療へと大きく変化している。患者の負担という意味では朗報だが、長期化しがちな治療の家計への影響や、がん患者と社会がいかに共存していくかという新たな問題も表面化している。
特に、40〜50代の働き盛り世代がいったんがんにかかると、仕事や子どもの教育、親の介護などさまざまな役割や負担を担っている世代だけに家計への影響は大きい。住宅ローンや教育費、介護費用の捻出など、がん治療を続けながら、どうやって家計をやり繰りするか悩むがん患者は多い。
また、高額療養費制度や障害年金など、患者にとって有利な制度を利用するには、自ら積極的に動いていかなければならない。がん治療にまつわる情報だけでなく、社会保障の知識や会社の諸制度、金融知識といったリテラシーも今後ますます重要になってくる。
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