極めて効果が高いが、超高額──。そんな薬が相次いで登場している。
代表格は、小野薬品工業が開発したがん免疫薬「オプジーボ」だ。末期がんでも年単位で生存しうるほど、画期的な有効性を持つ。2014年の発売当初は悪性黒色腫という希少がんが対象だったが、15年末に肺がんへと適応症が拡大。対象患者が数万人規模に増えた。ネックは価格だ。肺がんの場合、体重60kgの患者の薬剤費は、1回の投与で133万円、2週間置きの投与で年間約3500万円にもなる。
15年、米ギリアド・サイエンシズが投入したC型肝炎の特効薬「ソバルディ」「ハーボニー」も、臨床試験では100%近い治癒率と画期的な有効性を誇る。発売当初、12週間の治療にかかる薬剤費は各約550万円、約670万円だった。この二つの薬は非常に多く使われ、15年度の国内医薬品売り上げランキングの1、2位に躍り出た。
日本には高額療養費制度があるので、高額の薬を使っても患者の負担額は毎月数万~数十万円で済み、残りの医療費は税金や保険料で賄われる。この医療費は、国内で毎年1兆円ずつ増え続けている。
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