子どもたちがプログラミングに興味を持つきっかけを生み出しているのが『マインクラフト』。2009年に設立されたスウェーデンの開発会社Mojangが開発した人気ゲームだ。世界中で一大ブームを生み、日本でも小中学生の間では“マイクラ”の愛称で親しまれている。その人気に注目した米マイクロソフトが、14年に25億ドル(約2650億円)もの巨額で同社を買収した。パソコン(PC)だけでなく、スマートフォンやタブレット、家庭用ゲーム機でも楽しめる。
自然と概念が身に付く
遊び方はシンプルだ。ゲーム内で木や土、石などさまざまなブロックを組み合わせて、自分が好きなように街や建物などを造っていく。いわば“電子版レゴブロック”のイメージだが、建物を完成させて終わりではない。山で鉱物を掘り出したり、動物を飼ったり、自分の家をカスタマイズしたりできる。ゲームの中でのんびり農業をしたり、工業化した巨大都市を造ったりと、好きなものを自由に生み出して遊べるのが魅力になっている。
「スマホの小さな画面上で、子どもたちは全体像をイメージしながら噴水や橋などの大きな建築物を造ることができる。空間把握能力の高さに驚かされる」と日本マイクロソフトのパブリックセクター統括本部・原田英典ティーチャーエンゲージメントマネージャーは話す。
子どもたちがプログラミングを覚えたがるのは、カスタマイズの幅がさらに広がるからだ。たとえばブロックを掘って壊し、金を見つけて回収するといった作業を通常なら自分でこつこつやらないといけないが、それを自動化するプログラムを書けば一気に効率化が図れる。その間、別の作業に没頭できるわけだ。「マインクラフトを楽しむために、子どもたちはプログラミングが役に立つと自然と理解していく」(原田氏)。
小学校低学年レベルでも「Scratch」(→該当記事へ)を使って楽しむことができる。パズル型の1パーツに1機能が割り当てられており、右に曲がる、前に進む、後ろに下がる、といった動きを組み合わせてプログラミングできる。
特徴的なのは、コードエラーが起きてもキャラクターが動く点。「エラーで動かなくなると子どもが混乱する。とりあえず動きを確認することで間違いを認識できる」(原田氏)。目的を達成するための動きを1つずつ分解し、試行錯誤しながら論理的に組み立てるうちに自然とプログラミングの概念が身に付くようになるという。
授業に取り入れる小学校も
プログラミングに対応しているのはPC版のみ。多くのプログラミング教室では、マインクラフトのPC版にプログラミング機能のMOD(拡張プログラム)を追加して子どもたちに教えている。マインクラフトでプログラミングを学んでも、すぐにアプリやゲームを開発できるようになるわけではない。しかし目的に対するアプローチの選び方や、論理的に分析して考える能力が鍛えられる。すでに都内の小学校では、マインクラフトを利用したプログラミング授業が総務省の実証事業として実施されている。全国の小中学校の授業に導入される日も遠くないかもしれない。






















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