複雑な情報処理をいかに効率化して最速で終わらせるかは、プログラマーにとって最大の関心事だ。これはビジネスにも当てはまる。会議やプレゼンテーション、調査など大半の作業は情報処理の一種であり、効率化して経営スピードを上げることが企業の大きな課題だ。
ところがプログラマー出身の経営者である私の目で一般的なビジネスマンの仕事の進め方を見ると、とにかくムダが多い。
象徴的なのが会議だ。定例会議のときに、部下が上司に対して「今週はこれをやります」と順番に報告し、そのたびに上司がコメントする。私の会社も昔はこうだったが、一人5分の発表でも10人いると50分。上司からのフィードバックを加えると、さらに時間を食う。部下たちも出席者の発表が自分に関係ないものだった場合、手持ちぶさたになる。
これはコンピュータでいう「シングルスレッド」、つまりCPU(中央演算処理装置)が、Aの処理が終わったらB、次はCと順番にこなしていくのと同じだ(図1左)。そこで私はやり方を「マルチスレッド」に変えた。現在のコンピュータは、「クアッドコア」(コアが四つ)と呼ばれるような一つのCPUの中にデータを処理するコアを複数搭載し、並列処理するのが主流。シリアルだと10人で50分かかる会議が、並列処理ならたった5分に短縮できる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら