「プログラミングができれば、100%食っていける。ウチの高校で習得すれば社会で必ず職がある、という状態にしたい」(カドカワの川上量生社長)
インターネットで映像授業を行う通信制高校「N高等学校」が今年4月に開校した。立ち上げたのはニコニコ動画を運営するドワンゴを傘下に持つ持ち株会社カドカワだ。
課外授業が最大の目玉
N高校の「N」にはネット、ニュー、ネクストなどの意味が込められている。最大の目玉は、通常の授業のほかに行われる課外授業だ。内容は地方自治体と連携した職業体験、予備校講師による大学受験講座、アニメのプロデュースなど幅広い。同じグループの出版社であるKADOKAWAなども全面的にバックアップしている。
川上社長はN高校について「生徒に高校からの出口を示したい。1つが大学で、もう1つは手に職をつけて就職、という高校を目指している」と言う。

特に力を入れているのがプログラミング教育だ。希望すれば無料で受けられる。教材はネットで公開され、授業は週2回(1回2時間)、ネット生放送を通じて行われる。ドワンゴの現役エンジニアが講義をするのが売りで、チャット機能を使ってリアルタイムの質問もできる(写真上)。職業プログラマーの間で広く使われる共有管理ツール「GitHub(ギットハブ)」のアカウントを生徒全員に用意し、生徒同士で教え合える環境も整えた。
プログラミング授業の責任者を務めるドワンゴの清水俊博氏は、「しっかり学んでいくとニコニコ動画のようなサービスを自力で作れるようになる。大学レベルのコンピュータサイエンスも学ぶことができる充実したカリキュラムだ」と胸を張る。
N高校は不登校や引きこもりになった子どもの受け皿となることが、設立の大きな目的になっている。各種のネットサービスには親しんでいて、プログラミングに関心を持つ不登校や引きこもりの子は少なからずいる。ドロップアウトした子が将来、仕事に就けるのか不安に思う保護者からも強いニーズがある。
よりプロ志向の強い生徒向けには、ネットではなく対面で受講する有料プログラミングスクールも設けた。ビジネスの現場で即戦力となれる技術を持つ優秀なプログラマー育成が目的の「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール(PHH)」だ。
企業へのインターンも授業に
講師を務める草野翔氏は、高校を中退して17歳でドワンゴに入社した経歴を持つプログラマー、そして今春N高校に入学した現役の生徒という二足のわらじを履いている。PHHの受講期間は1年間で、教材費を除く学費は150万円。基礎技術の習得から資格取得対策の授業に加えて、ドワンゴやLINEなど企業でのインターンシップも含まれる実践的な内容だ。「非常な決意で臨んでいる」と語るように、新たな形の高校を目指す川上社長のN高校に対する思いは強い。今年4月入学の1期生約1500人からは、川上社長の思い描くような生徒が育つだろうか。最初の成果が出るのは来春だ。






















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