人口減に直面する中で、突然襲いかかったマイナス金利。地銀は再編を余儀なくされる。
2月23日、鹿児島銀行本店の応接室。向かい合って座っていたのは、同行の上村基宏頭取(九州フィナンシャルグループ〈FG〉社長)と、長崎県トップ地方銀行、十八銀行の森拓二郎頭取だった。
森頭取は上村頭取に伝えた。
「(長崎県2位の)親和銀行さんと、ずっと戦い続けてお互いに消耗していくよりは、一緒になったほうが、最終的に長崎のために支援できる銀行でありうるだろうと思う」
その3日後、十八銀行は、ふくおかFGと2017年4月に経営統合し、その1年後にふくおかFG傘下の親和銀行と合併することで基本合意したと発表した。
十八銀行はこれまで鹿児島銀行・肥後銀行(熊本)との3行で「つばさ会」を形成し、合同の勉強会を開き、幹部交流を深めていた。昨年10月、鹿児島銀行と肥後銀行が経営統合し、九州FGが誕生した後、そこに合流するのは十八銀行というのが周囲の一致した見方だった。
しかし、森頭取が選んだのは、九州FGではなく、ふくおかFGだった。理由は親和銀行との消耗戦を回避するため。森頭取の言葉を聞いて上村頭取は「なるほど。そういう考えがあったんだ」と意外感を示しつつも、最後には「わかりました。頑張ってください」と森頭取を励ましたという。その前日には肥後銀行の甲斐隆博頭取のところにも行き、統合・合併の意向を伝えていた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら