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追い込まれる銀行 マイナス金利が直撃

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日本銀行が突如繰り出したマイナス金利政策。水面下に沈んだ金利を前に銀行は焦りと危機感を募らせている。これまでと同じ競争を繰り広げるだけでは、もはや展望は開けない。

(本誌:福田 淳、水落隆博、浪川 攻、福井 純、印南志帆、冨岡 耕、中山一貴、富田頌子、筑紫祐二、井下健悟、並木厚憲)

「ひどく面食らっていましたよ」。ある上場企業の経理担当役員は2月上旬、決算説明で取引先の銀行へ出向いたときのことをそう話す。年明け以降、世界景気の不透明感が高まり、日本では円高が進み株価も急落した。デフレ脱却に危機感を募らせた日本銀行が1月29日にブチ上げた金融緩和が「マイナス金利政策」だった。

民間の銀行は通常、貸し出しや市場運用などに使わない手持ちのおカネを日銀に預けている。従来は預けるだけで年0.1%の利息がついたからだ。ところが今後、この預金の一部に年0.1%のマイナス金利がつく。日銀の言いたいことはこうだ。「ウチ(日銀)におカネを預けたら損しますよ。だから手持ちの資金は寝かさず、貸し出しや投資へ積極的に回してください」──。

マイナス金利政策で市場金利は一段と低下。国債の利回りは短期から10年の長期までマイナス圏に沈み込んだ。これまでも金利の低下で国債運用のうまみは薄れていたものの、マイナス金利では銀行もお手上げである。市場金利に引きずられて貸出金利の低下も避けられない。小社が3月に発売した『会社四季報』で、銀行セクターの2016年度経常利益の東洋経済予想は、前号に比べて約8000億円減った。大半の銀行が減益の公算だ。

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