日本の“表玄関”を挟んで、三井・三菱の「まちづくり」対決--江戸への回帰と明治への郷愁

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 この「三菱一号館美術館」は、10年4月にオープン。開館記念の「マネ展」は、3カ月間で30万人超を動員。ビジネス街の美術館としては異例の大ヒットを記録した。

続いて、岩崎家のコレクションを並べた「三菱が夢見た美術館」展。そして現在は「カンディンスキーと青騎士」展を開催中(11年2月6日まで)。これは20世紀初頭のカンディンスキーを中心とした革新的な芸術活動の、初の本格的紹介で、レベルの高い企画といってよい。
 
 この美術館は、明治とモダン路線が基調だが、建物自体が鑑賞対象という点からも面白い存在である。

ここで南北の「アート・ウォーズ」にも注目しておきたい。大丸有地区には、有楽町寄りに「出光美術館」(書画、陶磁器を中心とした日本・東洋古美術)、日本橋地区には三井タワー内の「三井記念美術館」(三井家コレクションの茶道具、書画、能面等)、三越本店の三越ギャラリー(美術部主催の「三越美術逸品会」は、時折、内外の高価な名品が並び、売買されるので、注目したい)、京橋の「ブリヂストン美術館」(印象派を中心とした泰西名画、近代日本洋画)等々、いずれも活発な展示活動で、それぞれ固定のファンをつかんでいる。

ビジネスから文化まで、三井、三菱のカラーを生かした多様な情報発信が行われている両地区。今後の新たな「まちづくり」の展開に期待したい。

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