原油価格の低迷が、中東を軸としたグローバルマネーの流れを変えようとしている。今年の年明けに起こった世界的株安では、相場を押し下げた一因としてオイルマネーの縮小や逆流が指摘された。
オイルマネーを「石油・天然ガス代金を原資とする政府系ファンド(SWF)の運用資産」と定義すると、米調査会社SWFインスティチュートの推計でその額は、日本の国内総生産(GDP)に匹敵する4兆ドルに上る。
そのうち2.2兆ドルはアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁(ADIA)、サウジアラビア通貨庁(SAMA)、クウェート投資庁(KIA)、カタール投資庁(QIA)の四つのファンドが占める。これらのファンドの投資動向に世界の注目が集まるのもうなずける。
世界の富が中東湾岸産油国のSWFに集まった背景には、言うまでもなく原油高とそれに伴う経常黒字の拡大が挙げられるが、固定相場制という要素もある(クウェートは通貨バスケット制で、それ以外はドルペッグ制を採用している)。
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