アラブの大国であるサウジアラビア。アラブの中で最も伝統的な社会であり、性差別が強く残るというのが一般的な理解だ。
健康、教育、経済・政治参加に関する男女格差をランキングする世界男女格差指数(ジェンダー・ギャップ指数)では、サウジは145カ国中134位と低い。ちなみに中東の主な国でサウジより上位なのは、クウェート(117位)、チュニジア(127位)、トルコ(130位)である(表)。
サウジで「憲法」と位置づけられるイスラームの経典『クルアーン』では、男性には同時に複数の女性との結婚が許されている一方で、女性にはその権利は認められていない。経典にないサウジ特有の制約もある。女性には行動の自由がなく、家に閉じ込められている印象が強い。婚外の男女の接触は厳しく制限され、「サウジ人女性の顔を一度も見ないまま帰国した」と嘆く日本人駐在員も多い。男性にとってベールの向こうは闇。女性の世界をのぞき見られるのは女性だけだ。
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